縄文人のおしゃれにまつわる、ちょっと痛そうな話。
日本全国の縄文遺跡から、大小様々なピアスが出土しています。
以前博物館でズラッと並べられているところを見ましたが、とにかくデザインが豊富で、縄文人がいかにオシャレだったかをうかがい知ることが出来ました。
今回この話を記事にするにあたって、縄文ピアスのイラストを描いてみました。
キャラクターの背景に並べてあるのが、資料を見ながらオリジナルのデザインにアレンジして描いた、縄文ピアスのイメージイラストです。
ピアスの素材は、石や動物の骨、それから土製のものなどですが、パッと見て思うことは、やっぱり「こんなデカイのどうやってつけるの?」と言うことです。
ピアスですから、耳に小さい穴を開けてそこにはめ込むんですよね。僕が見た実物の中には、直径5cmはあるんじゃないかと思う様な大きい物がありました。もっとデカイのもあるかもしれません。
先の尖った何かで耳に穴を開けても、いくらなんでも何センチもある様な物ははめ込めません。
ではどうしていたのかと言うと…
子供の頃に耳に穴を空け、一番小さいピアスをはめます。そして成長すると共に大きいピアスに変えていき、徐々にピアスの穴を拡張するのです。大人になる頃には、何センチもある様な大きいサイズの輪っかが、すっぽり入るくらいにまで広がります。
でもこの話、「どこかで聞いたな」と思ったんですが思い出しました。
アフリカの少数部族が、同じ様なことをしているのをテレビで見たことが何度もあります。
しかも彼らの場合、耳たぶに数センチどころが、20センチ近くはあるんじゃないかってくらいデカイ、それこそお皿みたいな物をはめ込んでいます。
その“お皿”を外すと、伸びきった耳たぶがダラーンと下り、そこにまたリング状のピアスをつけていたりします。
もっと言うと、耳だけじゃなくて、下唇にまででっかい板をはめ込んでる部族もいて、「食べるときどうすんのかな」とか思ったもんです。
ぼくはピアスをしたことがないので、針の穴程度でも抵抗がありますが、指が簡単に通ってしまうくらいの大きな穴にまで拡張するなんて、考えただけで痛そうな話です…。
でもアフリカの部族や縄文人は、たぶん一生をかけてずっとはめていて、長年かけてピアスの穴を拡張していくのですから、最初以外は痛くはなんでしょうね…でないと、出来る訳ないですからね…。
ちなみに僕の漫画やイラストでは、ただ単にアクセサリーを耳にくっつけてる表現にとどめ、痛そうな感じを避けています。
結局これは、大人になっていくことを確かめる儀礼としての意味もあったんじゃないかと思います。
縄文時代は文字による記録がない時代なので、どう言う意図でピアスを大きくしていったのか、正確なことは誰にもわかりません。でも現代の中で言えば、遠くアフリカの少数部族がやっていることから推測することはできると思います。
ということで、今回はこの辺で。
定期
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※参考:縄文時代における土製栓状耳飾の研究