どうも国府田です

イラストと漫画の制作、郷土の歴史と文化、そして日常。

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『北海道・北東北の縄文遺跡群』目指せ世界遺産登録、皆の関心は?

kazuyacoda

 

2019年10月現在、北日本の縄文遺跡と世界遺産登録について、世間の人はどの程度関心を持っているでしょうか。

いつもSNSで「縄文」と検索してますが、ヒットするのは一部のマニア的な内容ばかりで、とても一般層にまで広がってるようには見えません。

今日は世界遺産登録に向けた動きが“リアルに”どうなってるのか、少し調べました。

そして、本当の意味で民意を高め、皆が関心を持つにはどうすれば良いんでしょうか?

 

 

 

 

北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録をめぐる話。

 

今年の夏に産経新聞等にも載っていましたが、『北海道・北東北の縄文遺跡群』は、2年後の2021年にむけて世界遺産登録を目指しています。個人的には登録が決まってほしいと思いますし、事の成り行きを見守っているのですが、過去の申請では国内予選で落選しています。

登録申請の際、文化庁の方から「なぜ北海道と北東北に限定するのか」とツッコミが入ったみたいです。ここは当然理由があって、「津軽海峡文化圏」と呼ばれる文化の共通基盤が特色となっています。しかし、そのことがきちんと伝わっていなかったみたいです。

 

◎参照

jomon-japan.jp

www.zaikaisapporo.co.jp

 

 

閉じた空間で決めないで欲しい…。

 

ざっくり言えば、推薦書案を書く際、数人の学識ある権威に委ねられたため、現場の声が届いていない結果になってしまったみたいです。推薦書案には地域を限定する理由が書かれていなかったとか。お偉い先生方が書いたものですから、誰も口を挟めずそのまま提出、ということらしいです。

 

ちょっとソースが古くて恐縮なんですが、この話、何やら閉鎖的な感じを受けてしまいました。

ずっと思っていたのですが、世界遺産登録の申請は、もっと民意の評価が反映されてもいいんじゃないかと思います。

現状で国民の関心はどの程度なのでしょうか。近頃「縄文が流行ってる」とよく聞きますが、日常的に色々見る中で、個人的には「好きな人は好き」程度の話だと感じています。

 

 

世界遺産登録は縄文遺跡保護でもある。

世界遺産登録を目指すということは、同時に遺跡の保護にも取り組むことになります。これが僕にとって、一番気にしていたことなんです。

というのも、あの三内丸山遺跡ですら、僕が子供の頃は全く放置されいていました。

ブログやSNSで再三「子供の頃三内丸山遺跡を掘って遊んでいた」との話をしていますが、昭和の頃はまるっきり野ざらしで、平成初期になるまで保存する動きがありませんでした。

少なくとも江戸時代には縄文遺跡として認識されていたわけで、それ以後も小規模調査があったはずなのに、埋め戻したあと?何も保護されていませんでした。

 

はっきり言って、地元の人すらも大事に思っている人はほとんどいなかったはずです。近場の畑でも出てきた土器片を捨てていましたから、邪魔な石っころと同じ感覚でしょうか。

 

そんな自分もいつの間にか遺跡のことを忘れ、自分の生活のために奔走することになるんですが、郷里の話になるたびにふと思い出していました。そして「三内丸山遺跡」として本格的に発掘調査が決まってからは「今更かよ」と言いながらも、「あー、やっぱりあそこって凄い所だったんだな…」とも思っていました。

 

ひょっとすると、同じように無関心で放置されている縄文遺跡が、他にも沢山あるかもしれません。そうした場所に関心を持ってもらうには、どうすれば良いでしょうか?

 

 

縄文をネタにして遊んじゃう。

 

「縄文が流行ってる」とのPRもあってか?昔に比べれば、縄文文化に対する国民の意識が違ってきているのは確かです。問題は「難しい話になってしまうとシラける」ということ。なにも“お勉強”である必要はなく、自由にネタにしてしまえばいいんじゃないでしょうか。

例えば、戦国時代の武将はゲームから入って覚えた人が結構いませんか?アニメやラノベでも同じです。それと同じく、もっとくだけた方法論で「縄文ネタで遊ぼう」くらいの感じでいいと思います。

 

僕がやっていることは、まさにソレです。

 

あくまで「入口」としているだけで、関心を持ってさえもらえれば、それぞれが縄文時代について調べ出したり、実際に遺跡に行って見たり、皆が動き出すはずです。俗にいう「聖地巡礼」みたいなことです。

そうなればもう本物の“民意の高まり”になります。

 

 

縄文時代と自身の“繋がり”。

 

縄文遺跡は実はすごく身近で、よく見るとその辺の公園が、遺跡発掘のあと、保存のために埋めなおした土地だったりすることがあります。「自分と関係ない大昔の話だ」と思われていそうですが、そんなことはありません。毎日歩いている道も、縄文人が歩いたかもしれません。僕らはそんな歴史ある土地に住んでいます。

 

まずなにより「自分の根っこはどこにあるのか」ということです。自分の存在がずーっと昔から続いている流れの一点だと思えば、ちゃんと縄文時代につながります。

少なくとも日本列島に暮らす純日本人には、縄文人の遺伝子が満遍なく受け継がれていることが遺伝学的にわかっています。

 

根無草にならないために、遠い先祖でも大切にするべきだとは思います。

 

ちなみに、『北海道・北東北の縄文遺跡群』の世界遺産登録が決まれば、僕は「世界遺産三内丸山遺跡をほじくって遊んでいた男」になります。

おそまつ。