縄文人の寿命ってどのくらい?
ゆるい絵柄の漫画ブログで、いきなり「寿命」というワードを出すのもなんですが、
縄文人の平均寿命はどのくらいと推定されているのか調べてみました。
それによってお年寄りキャラの年齢設定が変わってきます。
今回は縄文人の寿命について、参考資料を元にお話しします。
一連のキャラクターは5000年前を想定しているので、どう考えても現代の医療や衛生面から比べれば、人の寿命が短かったことは否めません。病気だけではなく、狩りの時に大怪我をしたり、出産が原因で亡くなる人もいたかもしれません。
論文『縄文時代の出生率と寿命』によれば、大昔の人の寿命については、遺跡から出土した骨を調べることでわかるそうです。
遺跡から発掘された人骨の性別年齢を推定し、全ての結果を集計して、遺跡の男女比率、死亡年齢を求めることができるといいます。
これを「古人口学」といいます。
縄文前期から晩期までの、15歳以上の骨を調べた結果、平均死亡年齢は30歳前後で、年代によって多少の差異があります。
現代人に比べれば、なんと短い人生でしょうか…。
しかしこの結果は「15歳以上の調査結果」なので、それより若い新生児や子供の平均年齢が含まれていません。そこまで含めるともっと若くなると考えられます。
「15歳以上」の基準は、古人口学の調査研究は縄文時代から江戸時代までが推定されていて、江戸時代までの日本の成人年齢に準規していると思われます。そのため14歳以下の資料は除かれています。
また未成年の骨はもろく残りにくいそうですが、子供までを含めた縄文人の平均寿命は15歳との話もあります。
この場合、生まれてすぐに亡くなる赤ちゃんも含まれるので、そこでぐっと平均を下げることになります。
資料を一通り読んでふと思ったのは、平均寿命はあくまで平均なので、「それよりも長く生きた人だっていただろう」ということです。しかし『縄文時代人骨の古人口学的研究』によれば、発掘された人骨から分かったのは、長く生きてもせいぜい50歳代で、65歳以上の個体は皆無です。
話を最初に戻すと、現代人の髪が白くなりだす年齢は大体40~50歳代ですが、寿命が短かった分老けるのも早かったと考慮し(ツイッターで指摘を受けました)、キャラクターの年齢を考えました。
ということで、漫画に登場する縄文時代のご長寿キャラクターの年齢は、40代ということにしておきます。
それより上の50代の“お年寄り”は少ししかいなかったと思われます。
いたとしたら、おそらく大長老扱いだったでしょうが、ちょっとヨボヨボすぎるかと。キャラ付け的にもその少し前くらいがいいです。
さて、いくら大きな戦争もなく、資源も食料もそれなりにあったとはいえ、常に自然の脅威にさらされて、厳しい環境に暮らしていたことには変わりありません。それでも1万年以上も続いた訳は、やっぱり物理的なこととは別に、精神的安定が理由だったのではと想像しています。
今回はこの辺で。
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