エピソード1:時をこえてコンニチワ<その1>
気が遠くなるくらい遠い遠い昔、変わらぬ平和と豊かな暮らしを続けた人々がいました。
彼らの世界を『木と土の王国』と呼ぶ人もいます。
でも王様はいません。
多くの村に多くの人が暮らし、お互いのことを認め合いながら、おだやかな日々を過ごしていました。
野山は豊かに実り、森の動物たちも沢山います。
人々は自然のめぐみを受けながら、その一部となって生きていました。
子供たちはノビノビ育ち、今日もイキイキ遊んでいます。
すぐそこで、小さな男の子が、子犬と何かをしているようですが…?
この男の子は、動物好きの村の子供、名を「オズ」といいます。
猟犬の子「ドチ」と、いつも一緒に遊んでいます。
でも、イタズラのやりすぎで、村の人を困らせることもあります。
今日はなにをしでかすのでしょうか…。
オズがとんでもないことをしないように、いつも気配りをしているのは、姉の「ナルミナ」です。
怖いもの知らずのオズを見守る、“しっかり姉さん”のつもりでいます。
でも本当はかなりおおざっぱな性格で、細かい手仕事が苦手です。
そこに二人のお母さんが通りかかりました。
ナルミナとオズは何かのお手伝いに呼ばれましたが、どうやら今日は、村のお祭りが行われるみたいです。
この世界では、季節ごとにお祭りが行われています。
村全体でいとなむ大切な行事で、今は夏祭りの季節です。
お祭りの準備には沢山の人手がいるため、子供たちもみんな手伝います。
1年の中で大切な節目となる日ですが、どんな事をしているのでしょうか。
つづく
※この物語はフィクションです。すべて架空のお話になります。