ボツにした1コマを成仏させる。
実は最新話の作画段階で、最初の1コマ目1点をボツにしました。
ツイッターにはフォトショップで描いてる途中のものをアップしました。
[作業進捗] 4コマの1カット。じわじわ描き進めてるぞ。 - 国府田一八のポイピクhttps://t.co/afPCqj1KSN pic.twitter.com/Pa7lnQ3o2h
— 国府田一八 (@kazuyacoda) 2019年9月29日
導入に夜景を持ってきたんですが、どうしても入れたいコマが出てきてしまい、4コマという制限があるため、このコマをボツにしました。
そこから元々2コマ目として描いたものを、ひとつずらして最初に持ってきています。
一応アップするつもりで実データとして残しておいたのが下の絵です。↓
代わりに入れた新しいコマは、料理の描画シーンです。
なぜそこにこだわったのかというと、単純に『縄文の食卓』というメインタイトルに寄せるために、食べ物の絵を意図的に入れました。
作画の途中で、今までの漫画を見返して思ったのですが、キャラクターの紹介と世界観の説明にこだわる代わりに、メインタイトルの『食卓』からイメージがズレてるんじゃないかと思い始めました。
そこでぐっとイメージを寄せるために、描き終わっているひとつのコマをボツにしてでも、料理のシーンを入れた訳です。
自分がこの漫画を思いついた時、頭の中に常にあったのは、子供達が美味しそうに何かを食べているところです。
ほっぺたを膨らませて「おいしー!」と喜んでるカットが、ずっと頭の中にあります。
子供達にちゃんとした食事を満足に食べさせてあげられる環境が、一番平和な世界じゃないかと思います。人間以外の動物でも同じ。
とすればそれは、僕が描きたい縄文人の暮らしを通して「平和とはなんぞや」という普遍的なテーマを、端的に表している1コマになるでしょう。
どこで入れるかは全然決まっていません。
そこまで考えていたために、食べ物の絵を入れる必要が出てきて、最初に描いた夜景はお蔵入りとさせていただきました。
ちなみに、「おいしー!」と声をあげるシーンのセリフは、もちろん津軽弁です。
これで、一応描いた絵を成仏させてやることが出来たでしょうか。
ボツが出るたびにその分かけた時間が無駄になりますが、この漫画はそんなに量産するものじゃないと位置づけしたので、ある程度納得したものだけをアップしていきます。